NEXCO設計要領に基づいた高盛土・大規模盛土の地震時計算
NEXCO「設計要領第一集」の「建設土工編 高盛土・大規模盛土」では、高盛土・大規模盛土の地震時の安定計算は、盛土の地震応答解析を行った後にすべり土塊の平均加速度を求めてニューマーク法により、残留変位量を算定することが規定されています。
NEXCOニューマーク法とは
NEXCO「設計要領第一集 建設土工編 高盛土・大規模盛土」で規定されたニューマーク法となります。高盛土※・大規模盛土の地震時の安定計算は、盛土の地震応答解析を行った後にすべり土塊の平均加速度を求めてニューマーク法により残留変位量を算定することが規定されています。
- ※高盛土:30m以上の盛土



ニューマーク法の特徴
入力加速度波形と降伏震度を比較し、降伏震度を超える加速度波形の面積を求め、さらに速度が0になるまでの面積を追加します。この面積(角加速度)を積分し、速度(角速度)を求めて、さらに積分して距離(回転角)を求めます。


高盛土へのニューマーク法の適用(地震応答解析による等価加速度の算定)
高盛土の場合、盛土内(表層とすべり面位置)での加速度の分布に差があるため、地震応答解析で求めた応答加速度を使用します。ただし、ニューマーク法ではすべり土塊内で加速度波形を統一する必要があるため、すべり土塊内に存在する節点における応答加速度を節点周りの面積で重み付けし加重平均した等価加速度を時刻歴で算出します。この等価加速度の時刻歴をニューマーク法の加速度波形に用います。
■すべり土塊内の節点における応答加速度波形の抽出
地震応答解析により得られた各節点の応答加速度波形データから、すべり面内に含まれる節点の応答加速度波形のみを抽出します。以下の図の場合、8つの節点の応答加速度波形を抽出します。

■荷重付き面積の計算
節点に与えた加速度が影響を受ける要素の範囲を影響面積とします。節点の影響面積を求めた後「質量×影響面積」を荷重付き面積として計算します。

■等価加速度の算出
抽出した節点の各応答加速度を時刻ごとに以下の式に従い等価加速度を算出します。

M(i):すべり土塊内の各節点の荷重付き面積
Acc(i):すべり土塊内の各節点の応答加速度

NEXCOニューマーク法計算で使用するFCENA製品
- 地盤変形解析オプション(SANC)
- 動的解析オプション(SAMBA)
- レベル2の地震時の安定計算は、ニューマーク法で残留変位を算定する。
- レベル2タイプⅡの設計用地震動を耐震設計上の基盤あるいは地表面に入力して、盛土の地震動を算定する。

Step 1: FEMによる盛土の地震応答解析(AFIMEX-GT)
- 初期せん断変形係数Goを算出するため自重解析(地盤変形解析)を行い、せん断剛性の応力分布を求めます。
- 自重解析(地盤変形解析)で求めた盛土の応力分布から初期せん断変形係数とひずみ依存特性を算定します。
- 道路橋示方書※に記載されている3種類の地表面波形を盛土底面に入力した地震応答解析(動的解析)を行ない、「全節点の応答加速度」を求めます。
- ※道路橋示方書では、地盤種別毎に観測箇所や成分別の3種類の地表面波形が示されています。
例)タイプⅡ、地盤種別:Ⅰ種
・TYPE211:神戸海洋気象台地盤上(NS)
・TYPE212:神戸海洋気象台地盤上(EW)
・TYPE213:猪名川架橋予定地点周辺地盤上(NS)

Step 2: ニューマーク法による残留変位量の算定(COSTANA)
- 盛土の「全節点応答加速度」から、すべり土塊内の「節点応答加速度」を抽出し、「等価加速度」を求めます。
- 盛土の破壊基準線区分を自動で判別し、せん断強度を算定します。
- 等価加速度の正負(のり面に対し滑動方向とその逆)に対してニューマーク法計算を行い、盛土の「残留変位量」を求めます(3波形分)。
- 残留変位量の平均値を求めます(正側地震の平均値、負側地震の平均値)。



δ(+):正側(のり面に対し滑動方向)の入力に対する残留変位量
δ(-):負側(のり面に対し滑動と逆方向)の入力に対する残留変位量
δ1 ~δ6:正側応答加速度1~6の滑動変位量
FEMによる地震応答解析の概要と特徴、適用上の留意点
この章では、NEXCOニューマーク法に直接関わる説明ではありませんが、FEM有限要素法を用いた地震応答解析の概要や特徴、適用上の留意点を述べています。
以下の内容は、2次元的な地盤と構造物の連成振動を解析する為の有限要素解析の概要を示しています。側方に無限に広がる地盤を考慮する為に、伝達境界を使用できます。さらに底面粘性境界により底面からの波の伝播と逸散を考慮できます。
解析方法としては、高速フーリエ変換を用いた複素振動解析を用いており、計算する周波数領域を指定することにより計算負荷を削減し高速に計算できます。地盤の非線形性は、ひずみに依存するせん断定数と減衰定数を用いることによって、等価線形化法として考慮することができます。
FEMの基本的な考え方(基本原理)

要素特性

FEMによる地震応答解析
時刻歴の地震波を周波数領域の地震波に変換して地震応答解析をします。計算する周波数範囲を限定することで高速に安定して計算できます。

複素応答解析と等価線形化法
等価線形化法とは地盤の非線形性を線形な複素剛性として表現し、地震応答解析で計算したγの値からG/Go-γ,hーγ曲線を参照してG,hを更新し、計算を繰り返すことで収束させる計算です。

境界条件と入力地震動

地震応答解析の特徴と使用上の留意点

地盤解析関連の製品・サービスのご紹介
- 複数のオプションから解析に必要なオプションを選択して購入できる
- 地盤のモデル化においてメッシュ作成の操作が容易である(メッシュの自動分割機能、地層の自動配色、地層ごとに名称の表示)
- 様々な連携機能により解析手法や機能に対応している
弊社がおすすめする製品・サービス(1)AFIMEX-GT

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